2006年9月アーカイブ

おがたさんのアルパインデビューとして谷川一ノ倉沢衝立岩中央稜/烏帽子岩南稜へ。
メンバーは僕をリーダとして、マタギさん、守さん、おがたさんの4人でしたが、守さんが残念なことに仕事の都合でキャンセル。急遽栗さんが来てくれることになった。栗さんはGW前にアキレス腱を切ってからは初めてのアルパイン。またおがたさんは仕事の都合で2日目の南稜のみの参加。

計画はほぼ完璧なはずだったが、週間天気予報では台風14号が日本に接近するため雨の予報だったので、出発前々日にリーダ判断で一旦中止にしたが、晴れ男マタギさんからのアドバイスもあり、状況が好転してきたため決行することにした。

9/22
21:30に相模原を出発し、東名・環八・関越経由で、0:15に一ノ倉出合駐車場着。軽く到着祝いをして1:00就寝。

9/23 中央稜
5:00起床、星が出ている。テントを畳んで5:50出発。
一ノ倉沢出合のゴーロから右岸に取り付き、途中のケルンから左岸に渡り高度を稼ぐ。今年はこの時期でもまだ雪渓が残っており、雪渓通しにテールリッジ末端に取り付くことが出来た。テールリッジは危険なところにはフィックスが張られており、特に問題も無く中央稜の取り付きまでたどり着ける。


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<朝焼けの一ノ倉沢全景>

我々が到着したときには1パーティが雲稜第一に取り付いており、雲稜第二、中央カンテに行くパーティが、それぞれ準備をしていたところで、中央稜、南稜に行くパーティは無くラッキー。予定通り、中央稜を3人で交代してリード。

1P目(たけのうち)
階段状のルートだったが、朝一番で体も硬く、ビレイ点につくとかなりほっとした。


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<1P目セカンドでフォローする栗さん>

2P目(くりた)
リッジを左側から回り込み、凹角部分を経てビレイ。少し脆い。

3P目(マタギ)
テラスからほぼ垂直の壁を左トラバースしてフェースに回り込む。ルートファインディングを誤って下手に一歩を踏み出すと行き詰まりそうなので、数手先まで目で慎重にホールドを拾って登る。再びリッジ上に戻りフェース部分を上がったところでビレイ。このピッチはピンが少なく、トップのマタギさんは大変だったと思う。

4P目(たけのうち)
このルートの核心部。フェースからチムニーを越えるルートだが、チムニーでは、手が悪く、足も一手が見つからない。結局手が疲れてきてたので、一手だけAOして越える。なかなか手応えがある面白いピッチだった。


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<テールリッジを挟んで烏帽子スラブ(右)と衝立スラブ(左)>

5P目(くりた)
凹角の部分を登り、ピナクルを左から回り込む。このときマタギさんがエイト環でビレイしていることに気づく。聞けばATCガイドを烏帽子スラブに奉納してしまったとのこと。この晴天はマタギさんのギア奉納のお陰に違いない。感謝感謝。

6P目(マタギ)
フェースを登り、草付きへ。

7P目~8P目
草付き混じりのところを抜けて衝立の頭。12:40着。衝立の頭で昼食と、くりたさん持参のオレンジを食べて腹ごしらえ。

貸し切り状態だったので同ルートを懸垂下降することに。屈曲したルートで懸垂ポイントが沢山あったので、25mで細かく切っていけば良かったのだが、はじめの2Pは欲を出して50mで降りたのがマズかった。結び目が岩角や木の根に引っかかり、回収がままならなかった。1P目は傾斜が緩かったのでまだ良かったが、2P目は斜度もきつかったので、結局マタギさんに、プルージックで登り返してもらい、途中にあった別の懸垂ポイントから25mで懸垂。この時点でかなり時間が経ってしまっていた。テールリッジを下る時間を考えると、あまりノンビリはしていられない。25m毎に2本のロープを交互に使い、急いで降りる。

2日目から参加のおがたさんは14:00には土合の駅に着いているはずだ。テールリッジを滑るように降り、17:30出合着。ずっと待ってくれていたおがたさんをピックアップして出合駐車場に戻り、またぎさんの回鍋肉、くりたさんの生ハム、おがたさんのビールで反省会。21:00就寝。

9/24 南稜
5:00起床。明け方多くの車が出合駐車場に到着していた。前日の好天を見てより多くのクライマーが入山してくるのだろう。


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<中央稜取り付きから、左上の南稜テラスを目指す>

初アルパインのおがたさんも特に緊張した様子もなく、核心のピッチはリートさせてほしいとのこと。すばらしい。一方、こちらは前日の疲れがやや残っていて少々へばり気味・・・ 前日に登った中央カンテを眺めながら南稜テラスへ。


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<衝立岩中央稜/雲近傍のテラスにはクライマーの姿が見える>

パーティーはマタギ-くりた組、たけのうち-おがた組で、ベテラン組が先攻。前日よりもさらに天候がよく、快晴といっても良いくらいのベストなコンディション。前日ATCガイドを烏帽子スラブに納めた御利益がまだ続いているようだ。

我々2組の後には、ARIのパーティーが1組だけで今日もほぼ貸し切り状態。今日はダイレクトカンテに2組、中央稜に1組、中央カンテに1組入っているようだ。

1P目 (おがた)
簡単な階段状の岩場で途中のバンドまで。その次のチムニーが難しいが楽しい。足をうまく使えるかがポイント。


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<南稜1P目リード中のマタギさん/南稜テラスから>

2P目 (たけのうち)
一見III級ピッチ位の簡単そうに見えるフェース。そのまま直上出来そうだが、登ってみるとホールドが少なく、結果的には右へ左へ行かされる面白いピッチ。

3P目 (おがた)
明瞭な踏み跡のある草付きを辿る。一応スタカットで行ったが、どこにもピンはないのでコンテで行けば良かった。

4P目 (たけのうち)
頭上のハングした岩場を左から回り込む。

5P目 (おがた)
高度感のある馬の背リッジ。特に難しくはないので、眺望を楽しむ余裕もある。


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<5P目をリード中のおがたさん/馬の背リッジ手前にて>

6P目 (おがた)
核心部のフェース。「核心部は自分にリードさせてほしい」とのおがたさんの希望を汲んでおがたさんリード。フリーにこだわるのではと少々心配したが、やばそうなところは慎重にA0だったので一安心。

数m登った6ルンゼの下降ポイントで握手&記念撮影。エネルギー補給をして、6ルンゼを50mx2p、その後は25mでクライムダウンを交えながら、南稜テラスまで。ここで中央稜取り付きまでのクライムダウンがおがたさんの新たな課題になった。クライムダウン自体は慣れの要素が大きいと思うので、後々には単なる笑い話になるんでしょうね。
下山後は、くりたさんの梨をごちそうに。疲れた体にジューシーな梨がしみ込むのがわかる。

湯テルメで身を清め、次回の山行計画などを車中でワイガヤやりながら、帰路へ着いた。

天候にも恵まれた、これ以上ない環境で、おがたさんの初アルパイン、くりたさんの復活クライミングを終えられました。メンバーに感謝感謝。

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先日の赤岳に味をしめたのか、8才のゆうきが今度は沢に行きたいと言うので、簡単そうな源治郎沢へ。息子と沢に行くのは2年前の夏以来だ。
息子の足のサイズは20.0cm。相変わらず足に合う沢シューズがないので、運動靴の上に大人用のお古の靴下を履かせた「簡易沢シューズ」作戦。女性用のが履けるようになるまであともう少しのガマン。

早朝から入渓する予定だったが自治会の大掃除があり、結局9:00に自宅出発、戸沢出合の駐車場に10:00。バーベキュー客で賑わっていた。入渓したのは10:30。遡行時間を5時間と多めに見た場合、決行できるぎりぎりの時間か。

水無川本谷入渓点の広場から一瞬、書策新道に入ると、なんと!源治郎沢への道標があった。

堰堤を2つ越えて遡行開始。子供心をくすぐる小滝が連続している。大人は腰下しか濡れないが、120cmの子供には十分なシャワークライム。

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<F1手前の小滝にて>

念のためほとんどの滝でロープを出すが、基本的には安定感ある登りで、2年前からの成長を実感。

10m大滝は、登りたい衝動に駆られるものの、落ちても息子は助けてくれないので、当然巻きにかかる。大滝の後は、程なく二俣に到着、休憩(12:00)。げ、コースタイムの2倍かかっている・・

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<10m大滝にて>


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<二俣にて>

二俣を出発して1つめの滝を越えたところで、シニア世代のソロの人に追いつかれる。
前進血まみれになっている。聞けば、本谷に入る予定だったが、間違えて源治郎に迷い込んでしまったらしい。大滝で4m程落ちて、足と胸を怪我したとのこと。
自称「沢のベテラン」とのことだったが、ルートファインディングも足元も覚束なく、ヘルメットもシュリンゲも無し。それ以前にベテランだったら怪我した時点で降りるだろ、普通・・

いわゆる入山前遭難のオジサン、いずれにしても放っておけないので、先に歩いてもらい、後ろからついて行くことにするが、これが失敗だった。頭大の落石を落とされて、親子で凍り付くハメに・・

少し距離を置きつつ高度を稼ぐ。ゆうきも慣れてきたせいか登攀スピードが上がってきた。
ほどなく水が涸れ、長方形のチムニー滝を数本越えると、最大の難所。8m CS滝。
左にシュリンゲがぶら下がっているが、とても子連れで越えられるはずもなく、チョックストーンは岩が挟まって抜けられなくなっているんだよ、とだけ教え、巻く。

先ほどのシニアも無謀にも直登しようとしていたが、なんとか諭して巻いてくれた。

CS滝を越えたらあとは特に難所もなく、笹の斜面になる。写真の通り一般登山道と見まがうほど踏み跡がしっかりしているので、迷うことなく源治郎尾根の岩場までたどり着ける(15:00)。


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<ツメの笹斜面>


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<源治郎尾根の岩場>

源治郎尾根の岩場は、一般道の喧噪を離れて昼寝するのにもってこいの場所である。
3分ほどで大倉尾根の登山道に飛び出す。

少し下った花立山荘で、ご褒美にカップラーメンとかき氷を与え、15:30下山開始。
子供一般なのか、息子が特別なのか下りが遅いのが難点。
歩きながら話すことが出来ないようで、話しかけると一々立ち止まって答える始末・・・まぁ時間的には予定通りで、戸沢出合に帰還したのは17:00。

次は2年前に行った葛葉川本谷に行きたいとのこと。

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プロフィール

  • 神奈川県・広沢寺の岩場から約10分の所に住む、関西系O型39歳。
  • バリエーションを志し、相模ACの門を叩く。1男1女パパで家族サービスとの両立が目下の悩み。

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