この週末、純さん、若さんと3人で赤岳主稜&阿弥陀岳北稜に行ってきました。当初のメンバーは5人でしたが、えびすさんとおのさんは残念ながら風邪でリタイヤ、3人での登攀になりました。
コースタイム
1日目
美濃戸7:15 - 行者小屋9:40
行者小屋10:25 - ジャンクションピーク 11:15
第1岩峰登攀開始12:00 - 阿弥陀山頂13:20 (1時間20分)
阿弥陀山頂13:40 - 行者小屋14:15
2日目
行者小屋6:35 - 文三郎道分岐7:25
登攀開始7:45 - 赤岳南峰頂上9:50 (2時間5分)
赤岳南峰10:25 - 行者小屋11:00
行者小屋11:55 - 赤岳山荘13:15
今回は軽量化には気を遣ったので出発前のザックの重さは4人用テントを含めて23kg。昨年末の八ヶ岳の30kgに比べるとウソみたいな軽さです。
前日のうちに赤岳山荘駐車場に入って仮眠、駐車場代2000円を払って出発。2時間半ほどで行者小屋着。
1日目:阿弥陀岳北稜
テント設営、ガチャを身につけ出発。純さんがこの前登ったときには取り付きがよくわからなかったそうなので、前もってWeb上の記録などを調べておきましたが、幸いにも今回は雪が少なく、夏道通しであっという間にジャンクションピーク直下まで行けました。
<北稜アプローチにて。目の前のピークがジャンクションピーク>
<夏道からジャンクションピークへの登り>
<北稜から横岳西面を望む>
さらに夏道をたどればJP~第1岩壁をショートカットして岩壁直下まで行けるようです(先行していた岐阜の日帰りパーティはそうしていた)が、僕たちはきちんと(?)登ろうということでJPからリッジに取り付きました。雪が少ないが、稜線上だけはハイマツとシャクナゲが比較的薄くて、ヤブこぎという感じではなく、40分ほどで第1岩峰下に到着。
● 1P目(香取リード)
取り付きは手前のフェースと左手に回り込んだクラックの両方にしっかりとしたペツルの支点が打たれていました。先行パーティはフェースをノーアイゼンで。僕たちはアイゼントレも兼ねてアイゼンでクラック側から登りましたが楽勝です。岩もしっかり固まっているので安心して取り付けました。
<北稜1P目ビレイヤー若さん>
<北稜から赤岳西面。左からショルダーリッジ、主稜、南峰リッジ>
● 2P目(若リード)
1P目よりは登り甲斐ありますが、特に問題なし。リッジ上に出て傾斜の緩くなったところに1本あるハイマツの幹でビレイ。その後は練習も兼ねてショートロープで阿弥陀頂上へ。
<北稜2P目若さん>
<阿弥陀山頂>
山頂はクライマーでにぎわっていました。南陵を登ってきたパーティに写真を撮ってもらい、20分ほど休んで帰路へ。明日の主稜のルートを目で追いながら、北稜沿いの夏道を駆け下り、14:15行者小屋着。
<行者小屋の様子>
夜は若さんの鍋で宴会。僕は体温調節に失敗してしまって、少し熱っぽくて食があまり進まずすみませんでした。周りのテントがまだまだ宴会を続けるなか、うちのテントは19:00に消灯。
2日目:赤岳主稜 (取付~南峰山頂:2時間5分)
本当は6:00のまで爆睡の予定でしたが、さすがに11時間の睡眠はとれず、3人とも5:30にやむなく起床。周りは既に出発準備を始めている。心配だった昨晩の熱も無事に下がって、むしろ絶好調なくらいだ。
文三郎道をたどると昨日登った阿弥陀北稜の稜線がきれいに見える。
<中央が阿弥陀北稜、スカイラインは北西稜>
文三郎道最後の鉄製の階段を登り切ってすぐところでアイゼンを着け、鎖を越えて取り付きへの踏み跡へ。アプローチから見たときはずーと渋滞していましたが、僕たちは朝一取り付き組では最後だったようで、先行は先週の谷川天神尾根でもお会いしたBush 山の会の3人パーティのみ。逆に空いていました。
<主稜の取り付き>
● 1P目(香取リード)チョックストーンを抜けるのが難しいように書いてありましたが、雪が少ないからか、全く問題なし。雪がついて無いので、岩が脆く落石をしないように気を遣うことの方が難しいくらいです。
<1P目リードの純さん>
ピッチを切ったところから正面の岩壁まではほとんど雪が着いていないのでコンテで進む。
● 3P目(たけのうちリード)
スタカットで来れば何P目になるのだろうか。主稜上で特に顕著な岩壁でここは是非ともリードしたいと思っていたところ、リードさせてもらえることに。先行パーティが譲ってくれたこともあってちょっと緊張気味に、正面を右から回り込む。少しトラバースしたところのフェースと右のクラックが弱点に見える。フェースの方がホールドが多少小さいかなと言う程度で基本的にはガバなので同じくらい。今回はフェースに取り付いてみた。登り切ったリッジでビレイ。
<3P目(核心部)の出だし(たけのうち)>
あとはコンテで進み、最後の簡単な岩場を越えて北峰直下に出て終了。以前ここで主稜を登ってきたパーティに出会ったことが、自分のアルパインクライミングの起点になっていることを思い出しながら、南峰で握手。
<赤岳南峰にて>
記念撮影をすませ、阿弥陀北稜、赤岳主稜と自分たちのトレースしたリッジを眺めたり、南峰リッジの取り付きとルートを確認したりしながら文三郎道を下る。全くアイゼンは必要なかったです。(スクールでむりやりアイゼンを付けて登らされている少し可愛そうな光景にも遭遇)テントを撤収、帰り支度をして小屋を出発発、1時間半弱で美濃戸着。
原村の「もみの湯」で汗を流し、「小松山荘 山の幸」に行く予定でしたが、山の幸は残念ながら14:00~17:00の休み時間中でしたので、小淵沢ICのすぐそばの「ほうとう 松木坂」で食事をしました。
今回は異常に雪が少なく、天候が極めて安定して風も無かったので、どちらのルートも易しく、余裕を持って楽しめました。また3人だったので登攀のスピードを心配していましたが、ほとんどコンテで行けたので早く抜けられました。どちらももっと雪が着いている時期にもう一度ツルベで行こうと思います。
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