北岳バットレス4尾根に行ってきました。メンバーはおおたに、もりした、わかざわ、おの、たけのうちの5人。
僕は百名山ハンターでは無いですが、実は北岳に登ったことが無いので北岳ピークのおまけ付き。
およそ1年半ぶりの本ちゃんなので、リハビリ中の力試しには願ってもない絶好のルート。誘ってくれたメンバーのみんなに感謝感謝。ガチャ類で20kg程になったザックを自宅で背負い、アルパインクライミングをかなり実感・・・
8/19 1日目
自宅(4:30)~芦安(7:00)~広河原(8:30)~白根御池~テント設営~二俣~バットレス沢出合(12:30)~bガリー取付手前(12:45)~白根御池(14:00)
早朝4:30に出発、高速で中部縦貫道白根ICまで行き、芦安の市営駐車場へ。夜叉神より先はマイカー乗り入れ禁止なので、ここでバスへ乗り換え。7:30のバスに乗り込み、1時間ほどで広河原へ。
広河原から白根御池までは、ゴルゴタの丘に登るよごとくの荷揚げで、アプローチは皆へばり気味でしたが、所々に咲く花が唯一の癒しだった。途中に4尾根を登ってきたパーティに出会ったが、その方達の話によると、dガリーから取り付いたものの、トラバースのバンドが崩壊していて、所々ある細いシュリンゲを頼りに恐る恐るトラバースしたとのことで、bガリーからの取り付くことを勧められる。
3時間ほどで白根御池着。小屋は雪崩で流されて以来のプレハブから改築されたばかりで、木の香漂うかっこいい小屋でした。ちなみに肩の小屋の喧噪とは裏腹に白根御池小屋はガラガラだそうです。
早速テントを張って、おおたに、もりした、たけのうちの3人は取り付きの偵察に。
無人トイレのある二俣を経由して、顕著な大岩のあるバットレス沢出合へ。一般登山道と見まがうようなバットレス沢の右岸の踏み跡を×印にそって辿る。
<大樺沢の雪渓>
<バットレス沢出合の大岩>
沢を詰めていけば、自然にbガリー大滝にたどり着けそうだったので、途中で偵察終了。
二俣で出会った8人パーティーは風の谷の山田哲哉さんのパーティで、我々同様、明日バットレス4尾根を登るそう。小屋に戻るとアルパインクライマー系のテントが2張りほどあった。夏の土日は渋滞が出来るとの記録が多いので、なるべく早く取り付かなくては・・
早めに帰還してしまったので、早速宴会モード。小屋のビールは500mLで700円で、比較的良心的な値段。僕はビールをボッカしてきましたが、この値段なら小屋で買っても良いかも。
<宴会中之図>
若さんの牛丼&サラダ、マタギさんの塩もみを腹に収めて、お楽しみの山談義に花を咲かせた後、18:40就寝。バーゲンで買った薄っぺらいシュラフで寒くないか心配でしたが、むしろテント内は人いきれで暑く、シュラフにもぐると寝られませんでした。
8/20 2日目
2:00起床、マタギさんが生キャベツ入りわかめスープを全員分作ってくれて、各自準備した飯と一緒に速攻でかき込む。外へ出てみると満点の星空、天候は上々。
2:55テン場出発。程なくして二俣に付き、大樺沢上を見上げると、2パーティ先行しているようだ。先頭パーティーはかなり先を行っている。一体何時に小屋を出たのだろうか。2番目のパーティーはすぐ前を行く。大人数なので昨日会った風の谷パーティだろう。
<夜間行軍>
我々も沢沿いに高度を稼ぐが、後続はパーティはいないようなので、あきらめてのんびり行くことに。バットレス沢からのアプローチもそれほど苦労せずにbガリー大滝に到着(5:00)。前のパーティーはやはり風の谷グループで、我々が到着したときにはすでに最後の1パーティが登り始めようとしていた。
下部岸壁は若さん、たけのうちの順で登り、先行パーティーは左上する草付きへ草付き奥の脆いガリーに取り付いており、落石の雨あられである。比較的安全な場所へ待避し、後続のマタギパーティを待つため小休止。ガイドブックでは先行パーティが登っているガリーではなく、ガリー右の緩い傾斜帯をcガリー側にトラバースすることになっているが、崩れていてとても行けそうにない。しかたないので、先行パーティーと同じようにガリーを詰めるが、ボロボロで安定したホールドが見つからない。一人ずつ登る。僕を含む3人はノーザイルで行ったが、途中でロープを出した。ここはロープを出すのが正解だろう。危険すぎる。
Cガリー側に懸垂で降り、ガレたCガリーを横断、壁にペンキで「4」と書かれたヒドンスラブを経由して取り付きテラスへ。
1P目(若)
クラックからフェースを登る。クラック最初の3mがやや難しい。
<1P目リード中の若さん>
<いつも穏やかなリーダー・またぎさん、1P目ビレイ点にて>
2P目(たけのうち)
所々草が付いたフェース。特に難しいところは無いが、ルートが曲がっているのでロープの流れを考えなければならないが、久しぶりだったのでうまく伸ばせず、若さんに指摘を受ける。ありがたい。
このピッチは、最後右に回り込んだところがビレイ点なのだが、ロープの流れが気になって手前でピッチを切ってしまった。その後正規のビレイ点まで若さんリード。
3P目(たけのうち)
通称「白い岩のフェース」と呼ばれる、やや逆層気味のフェース。それほど難しくはないが、ホールドを探すのにそれなりに苦労してしまう。後続の若さんは「階段だった」。登り込みの足りないのかな・・
正規のビレイ点を少し越した小さなテラスのハイマツでビレイ。
4~5P目(若)
コルを越えて核心部の三角形の垂壁へ。さすがの若さんも慎重に登っているが、彼女お得意の「じりじり登り」で、しっかりと正面突破。
後続するも足がが滑りまくり。右に回り込むと行けそうだったが、結局もっと楽なA0で正面突破(笑)。
マッチ箱までのリッジは高度感があり楽しい。
マッチ箱先端には懸垂ポイントが2つ有ったが我々は先端から、後続のマタギパーティは手前のポイントからDガリー側のテラスへ降りる。渋滞用のバッファだと思うが、空いてれば手前の方が良い。
隣のDガリー奥壁のスラブに1パーティ取り付いている。どうやらオフィスアルパインの大森さん(ガイド)のようだ。後続のお客さんに細かく指示を出している。
Dガリー奥壁のそのピッチはスラブの中にすっきりと入ったクラックが格好良い。
6P目(たけのうち)
クラック沿いにIV級のフェースを登る。このくらいの難度のピッチが一番充実感がある。
7P目(若)
左に回り込んで枯れ木テラスまでは階段状態。
8P目(たけのうち)
最終ピッチの光栄にあずかる。技術的には何でもないところ。バルジを越える手前にビレイポイントが有るが、そのままバルジを越えて、大テラス直下のハイマツでビレイ。(ロープの長さが足りず、大テラスまでは伸ばせなかった。)
若さんと握手を交わし、後続のマタギさんを待つ。
5人が合流したところで、ロープを外して大テラスで大休止。
Dガリー奥壁を登ってきたパーティーは、やはりガイドの大森さんでした。
山頂までの情報に加えて、剣のあるルートの情報ももらいました。今度そのルートの支点整備に行くとのことで、挑戦してみるといいよとのこと。来年夏あたりそのルートに行ってみようと思います。どこのルートかは来夏までお楽しみに。
終了テラスからはお花畑の中を15分ほどで山頂に到着。握手を交わす。
<北岳山頂にて>
草滑り経由で白根小池に帰還。逃げ足は速く、広河原には16:10到着。到着直後に乗り合いタクシーのおじさんが声をかけてくれてすぐに出発でき、16:50には芦安の駐車場に帰ってこられた。白峰会館の温泉で汗を流して帰路につく。
おかげで順調にリハビリクライミングをこなすことが出来ました。
みんなありがとう!
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