アルパインクライミング: 2008年11月アーカイブ

八ヶ岳2日目です。

 

前の晩から断続的に突風と雪が天幕をたたき続けるなか、3:30起床。

トイレに起きるとしんしんと雪が・・・

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鉱泉から硫黄に向かうトレースも完全に消えてしまっています。

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今日は、長年狙っていた某ルートをようやく攻略できるか・・・と思いきや、この雪で風も強いので、某ルートは厳しいと判断、代替として、石尊稜に行くことに決めました。

5:30赤岳鉱泉発。

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中山乗越に向かって10分ほど歩き、鉄の橋を渡ってすぐ、開けたところから登山道が森に入る直前の沢に入ります。

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沢をひたすらラッセル。膝くらいかな。

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最初の顕著な二俣を右、次の二俣は左の三叉峰ルンゼに入りました。

ほぼ垂直なルンゼをダブルアックスを駆使して駆け上がると取り付き着。

狭いリッジを下部岩壁まで。コンテでも行けそうだけど一応スタカットで。

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下部岩壁(けんじょうさん)

下から見ていると緩傾斜で余裕そうに見えるんだけど、けんじょうさん苦戦。気休めのチタンハーケンを打って突破。

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<下部岩壁中央をリードするけんじょうさん> 

 

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<11月なのに雪多すぎ・・>

 

フォローしてみてけんじょうさんが苦戦していたのをチョー納得。

凹角の抜け口がかなりシブイ。雪のためホールドも甘く、抜け口の一歩が思い切れない・・・

けんじょうさんの打ったハーケンでチョンボしようと手をかけたら、やはりスポッ。緩斜面なので全体重をかけてたら、ケガしているところでした。

チョンボ禁止との神のお告げにしょうがなく(かろうじて)フリーで突破。

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<下部岩壁をフォローする僕>

 

岩壁を過ぎるときれいな雪稜をコンテで進みます。やっぱコンテは早い。あっという間に、上部岩壁取り付きに到着しちゃいます。

左からコールが聞こえます。小同心クラックのようです。赤岳鉱泉にはクライマーが大勢いたにもかかわらず、今日のこの状況のなかで、横岳西壁にいる変態パーティは、我々とその小同心パーティのみのようですね。 

上部岩壁をマタギさんが凹角からから抜けて、その後の簡単な凍った草付を僕がリッジまでリードして上部岩壁終了。

 あとは氷化したガリー沿いに石尊峰まで駆け上がり堅く握手。

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<石尊峰にて>

 

凍ったまつげが重いです。

だけど、もっと悲惨なお方が、下の写真の左下に写ってます。

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拡大すると・・・地蔵岳のお地蔵さんです。わかります?

顔からエビのしっぽが生えています。かなり悲惨す。

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<地蔵のお地蔵さん>

笠地蔵のオジイみたく、ゴアの雨具でも着せてあげれば、今頃我が家も食べ物で一杯だったのでしょうが、このときはそこまで気が回りませんでした。

 

地蔵尾根を駆け下りて、登山道から石尊稜への分岐まで戻ってきたところで、夕焼けに映える大同心が!残念ながら、コンパクトデジカメでは上手く撮れませんでしたが、実際には青空にきれいなオレンジで浮かび上がっていました。

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<夕焼けのなかの大同心>

 

16:00鉱泉着。残業しているテントは我々と小同心パーティのみ。

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朝ご飯の残りを温め直して食べていると、隣のパーティも帰還してきた様子。
ガチャの受け渡しを済ませてテントをたたみ、17:00鉱泉を発ちます。

もうあたりは薄暗く、ヘッデン下山です。
3人とも疲れていたのですが、早く下りたい一心で、3人とも無言。
やまのこ村まで1時間で一気に駆け下りました。

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<やまのこ村にて>

 

今回は、足の揃ったパーティだったので、かなり欲張った行動ができました。
僕の計画に快くつきあってくれたメンバーに感謝感謝です。 

某ルート、来年リベンジしますよ!

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最近のガイドブックには載っていない某ルートをめざして八ヶ岳に行ってきました。

そのルートは地形上から年を越してしまうと風が強くなって登れなくなってしまうので、年内にチャレンジする計画を立てました。

実は、3年前にも狙っていたのですが、僕がインフルエンザで倒れてしまい中止・・・

リベンジにつき合ってくれたのは、マタギさんとけんじょうさん。
足の揃ったベテラン2人を差し置いてのリーダーに、準備段階から少々緊張気味です・・・

結果的には、今回も目的のルートには行けず、某ルートは次回以降の宿題になってしまいましたが、充実した山行になりました。

 

20時マタギ宅着。マタギ号で、途中けんじょうさんをピックアップして小淵沢の道の駅へ。道の駅では、すでに先客がトイレ横の一番いい場所を取っていたので、我々は売店横の軒下に幕営。

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<小淵沢・道の駅>


翌日4:00起床、5:00出発。車内で山談義に盛り上がりすぎて富士見への左折を見落として回り道してしまい、やまのこ村着は6時過ぎに・・・

6:30美濃戸出発。30分ほど予定を遅れてしまいました。でも今回のメンバは体力組なので大丈夫です。

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<本日の行き先、大同心は雪べったりです

 

25kg位のザックなのに、空身が如くバンバン飛ばします。手加減ナシ、2時間で赤岳鉱泉到着です。

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<赤岳鉱泉アイスキャンディ>

 

テント設営、登攀準備をして9:20鉱泉発。大同心稜経由で大同心へ。
小屋から2分ほどで、「ここは大同心沢。入ってはいけませんよ」という看板がかかったトラロープ。丁寧な道標に感謝しながら、遠慮無くトラロープをくぐらせていただきまっす。

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<登山道脇のトラロープ>

 

ご丁寧にもう1箇所。トラロープ。いよいよ大同心稜。

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<大同心沢から大同心稜に乗り上げるところにさらにトラロープ>

 

今日は誰も登っていないようで、スネ~ヒザ下くらいまでのラッセルで急登が続きます。

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<青空が広がります>

 

ラッセルが予想以上にきつく、2時間歩きましたが、まだ着きません。
大同心はすぐそこなんですがね・・・

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<大同心をバックに。武者震いがします>

 

右のスカイラインが今日のルート、大同心南稜です。

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<真っ白の大同心>

 

11:30ようやく南稜取り付き着。
うーん。大同心の撤退リミットは14:00にしたいけど、上まで抜けられるかな・・

 

1P目(たけちゃん)

壁はベルグラがベッタリ。雪がなければガバばかりなんでしょうが、この雪で微妙なスラブに変身していて、ビミョ~。

途中のピナクルでかろうじてシュリンゲの支点がかろうじて取れました。それが無ければノーピンでした。

いかにも「ここでビレイして下さい」というテラスで。支点を作って、2人を引き上げ。 

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<1P目をリードする僕>

 

2P目(マタギさん)

気温は-10℃弱くらいで大したことはないのですが、風が非常に強く、体感的には-20~-25℃くらいでした。

2P目はどこがルートか、初見では悩ましいです。中央の顕著な凹角があったのでマタギさんがリード。条件が悪いので、かなり厳しそうです。

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<2P目リードのマタギさん>

 

上に抜けたところでビレイステーション発見。フォロー組は、マタギさんの抜けた凹角を避けて、思いっきり右から回り込んでビレイステーションへ。

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<2P目ビレイ中のけんじょうさん>

 

3P目に進んでドーム基部まで行くか悩ましいところですが、この時点で13:00。

懸垂にかかる時間と、翌日の行動を考え、ここで終了の判断。大体ルートはわかったので、またチャレンジしに来ます。

 

早速、取り付きまで、懸垂下降です。

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<1P目右の緩い傾斜部分を懸垂下降>

 

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<国籍不明の怪しいシェルパ。てゆうか、阿弥陀をバックに僕>

 

せっかくなので、大同心の基部から各ルートの取り付き確認をし、もと来た大同心稜を下山。

今日は我々の他には、小同心クラックを登っていた1パーティのみで、静かな登攀が楽しめました。

 

下りは、快調に1時間ほどで鉱泉へ(14:30)。鉱泉は、クライマーや登山者でごった返していました。

隣のテントのパーティは翌日大同心雲稜を登るとのこと。

 

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<大同心稜を下る>

帰ったら早速大宴会。夜は、けんじょうさん特製の巾着入りキムチ鍋でまた大宴会。

翌日は3時半起きを約束して、早々に就寝。
 

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プロフィール

  • 神奈川県・広沢寺の岩場から約10分の所に住む、関西系O型39歳。
  • バリエーションを志し、相模ACの門を叩く。1男1女パパで家族サービスとの両立が目下の悩み。

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