八ヶ岳2日目です。
前の晩から断続的に突風と雪が天幕をたたき続けるなか、3:30起床。
トイレに起きるとしんしんと雪が・・・
鉱泉から硫黄に向かうトレースも完全に消えてしまっています。
今日は、長年狙っていた某ルートをようやく攻略できるか・・・と思いきや、この雪で風も強いので、某ルートは厳しいと判断、代替として、石尊稜に行くことに決めました。
5:30赤岳鉱泉発。
中山乗越に向かって10分ほど歩き、鉄の橋を渡ってすぐ、開けたところから登山道が森に入る直前の沢に入ります。
沢をひたすらラッセル。膝くらいかな。
最初の顕著な二俣を右、次の二俣は左の三叉峰ルンゼに入りました。
ほぼ垂直なルンゼをダブルアックスを駆使して駆け上がると取り付き着。
狭いリッジを下部岩壁まで。コンテでも行けそうだけど一応スタカットで。
下部岩壁(けんじょうさん)
下から見ていると緩傾斜で余裕そうに見えるんだけど、けんじょうさん苦戦。気休めのチタンハーケンを打って突破。
<下部岩壁中央をリードするけんじょうさん>
<11月なのに雪多すぎ・・>
フォローしてみてけんじょうさんが苦戦していたのをチョー納得。
凹角の抜け口がかなりシブイ。雪のためホールドも甘く、抜け口の一歩が思い切れない・・・
けんじょうさんの打ったハーケンでチョンボしようと手をかけたら、やはりスポッ。緩斜面なので全体重をかけてたら、ケガしているところでした。
チョンボ禁止との神のお告げにしょうがなく(かろうじて)フリーで突破。
<下部岩壁をフォローする僕>
岩壁を過ぎるときれいな雪稜をコンテで進みます。やっぱコンテは早い。あっという間に、上部岩壁取り付きに到着しちゃいます。
左からコールが聞こえます。小同心クラックのようです。赤岳鉱泉にはクライマーが大勢いたにもかかわらず、今日のこの状況のなかで、横岳西壁にいる変態パーティは、我々とその小同心パーティのみのようですね。
上部岩壁をマタギさんが凹角からから抜けて、その後の簡単な凍った草付を僕がリッジまでリードして上部岩壁終了。
あとは氷化したガリー沿いに石尊峰まで駆け上がり堅く握手。
<石尊峰にて>
凍ったまつげが重いです。
だけど、もっと悲惨なお方が、下の写真の左下に写ってます。
拡大すると・・・地蔵岳のお地蔵さんです。わかります?
顔からエビのしっぽが生えています。かなり悲惨す。
<地蔵のお地蔵さん>
笠地蔵のオジイみたく、ゴアの雨具でも着せてあげれば、今頃我が家も食べ物で一杯だったのでしょうが、このときはそこまで気が回りませんでした。
地蔵尾根を駆け下りて、登山道から石尊稜への分岐まで戻ってきたところで、夕焼けに映える大同心が!残念ながら、コンパクトデジカメでは上手く撮れませんでしたが、実際には青空にきれいなオレンジで浮かび上がっていました。
<夕焼けのなかの大同心>
16:00鉱泉着。残業しているテントは我々と小同心パーティのみ。
朝ご飯の残りを温め直して食べていると、隣のパーティも帰還してきた様子。
ガチャの受け渡しを済ませてテントをたたみ、17:00鉱泉を発ちます。
もうあたりは薄暗く、ヘッデン下山です。
3人とも疲れていたのですが、早く下りたい一心で、3人とも無言。
やまのこ村まで1時間で一気に駆け下りました。
<やまのこ村にて>
今回は、足の揃ったパーティだったので、かなり欲張った行動ができました。
僕の計画に快くつきあってくれたメンバーに感謝感謝です。
某ルート、来年リベンジしますよ!
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