息子のゆうき(5年生)と、心優しく穏やかに生きるのみとぴーさん、息子さんのこうき君(4年生)の4人での鳳凰三山珍道中、2日目です。
朝4時起床。外に出ていみると、満点の星空。
風が強い。テン場は樹林帯のなかなので問題ないが、稜線はかなりの強風が予想される。2004年1月の仙丈岳の時には稜線上で身体が宙に浮いて飛ばされたことがあるので、体重の軽い子供達が少し気がかり。
朝食は、昨晩の残り汁をつかってうどん。おいしかった~。
起床から出発まで2時間。ちょっと時間かかりすぎだけど、子連れなので、まぁこんなもんかなぁ。
稜線は風が強い。巨岩帯なので、岩の裏で風よけ。
花崗岩が風化してできた、白くて明るい登山道はとても気持ちが良い。
森林限界を超えると、さらに風が強くなって来た。風速は大体15m/sくらいか。大人は単に風が強くて寒い程度だけど、子供達にはちょっときつい風。ストックを渡し、耐風姿勢を教える。
寒いけど、みんな元気いっぱい。ノリノリ~。
振り返ると富士山がくっきり。
手袋も冬用のものをしないとちょっときついです。
7:30、薬師小屋到着。稜線上にあるけど、全く風が来ない絶妙な場所。
7:50、だだっ広い山頂の薬師岳着。
ガスっていたりホワイトアウトしていると迷いやすそう。
白根三山がきれい。北岳バットレスの各尾根がくっきり見える。
巨岩帯が続きます。子供達もガンバ!
程なく観音岳到着(8:30)。この強風で子供達を連れているのを見て、驚かれます。
「家族で良いわねぇ」
「・・・偽家族なんです。」
説明に苦慮(笑)。
遠くにこれからチャレンジするオベリスクが見えます。かっこいい!
↓この写真見たら、雪山かと思うよね。
タダの白砂です。自然の造形美。
9:50赤抜沢ノ頭到着。オベリスクが間近に見えます。子供達は登攀具をつけて準備完了。
ここから見るオベリスクはかなり急峻に見えます。果たして登れるのか・・・リーダー判断が問われますが、ここはO型、頭で考えてもしょうがないので、ひとまず行ってみることに。
みんなでオベリスクへのコルまで駆け下ります。
オベリスクのコルになっている部分(賽ノ河原っていうんだっけ?)には、お地蔵さんと、「地蔵岳」の標識が。オベリスクには登れない人が多いので、ここを地蔵岳としてるんでしょうね。
オベリスクは、比較的傾斜の緩い(といっても急ですが・・)基部と、突端部との2段ロケットです。
基部は、遠目に見たほどにはしぶくなく、岩場の弱点である凹角部分から登れます。クライミング経験のある、こうき君とゆうきには楽勝。凹角を登り切ったところから突端の付け根に至るルートファインディングが楽しいです。
正面の巨岩をボルダー感覚で登るのもアリだとは思いますが(実際に登っている形跡がある)、少なくともリーチのない子供達にはムリムリ。実はもう一つ秘密のルートがあるんです。
前を巨岩でふさがれたところから左上するバンドがありますので、そこを忠実に辿ると・・・
秘密の入口に到着です。(ここメタボな人にはきついかも。)
<秘密のルート入口にて。>
最後の突端への登りはクラックにフィックスロープが張ってあるので、A0しまくりで登ります。
オベリスクのてっぺんは双頭になっていてそれぞれ1m四方ほどで、それぞれのピークにセルフビレイ用のハーケンとボルトが打ってありました。ただ岩質的に確保支点がどの程度の強度を持っているのかはかなり疑問でした。
支点をセットして、ハーネスをつけた子供達がから挑戦!まずはリーチのあるこうき君がチャレンジ。岩には足場が切ってあるんですが、大人用のリーチなので、こうき君でもかなり苦戦。
しばし格闘するも、山頂は大人でも飛ばされそうな強風で、下山時間を考えると子供達の登頂は無理と判断。残念だけど、こうき君を下ろすことに。ゆうきも一応軽くトライ。
みとぴーさんには完登してもらって、てっぺんでポーズとって欲しかったけど、ハーネスがないので、ゴボウでの下りがちと厳しいというご本人の判断で、今回は最後の登りだけは断念。
(実は、たぶん余裕で行けたと思うんですけどね~)
でもオベリスクの突端部分って、オベリスクの最後2割なので、突端基部まで来られただけでも実は子供達にはすごいことなので、よく頑張ったと大人2人で褒めてやりました。
ぜひ彼らにはまたチャレンジして欲しいです。
パワーがありあまる2人は、赤抜沢ノ頭への登り返し途中にある、蟻地獄のような砂の斜面で、暴れまくっています。
さすが沢ヤさん。樋状部分の突っ張り登りは得意科目です。
11:30、赤抜沢ノ頭に帰還。11:30。1時間半楽しく遊べました。
あとはまた縦走モードです。後ろ姿がちょっとたくましく感じるねと、みとぴーさんと意見が一致。
高嶺を越えたところで、ボクが先頭に変わったところで事件発生!
踏み跡がどんどん薄くなってきて、ついにはハイマツのヤブコギに!
あぁ本能的にヤブをこぐようにDNAにインプットされているのね、と自分で納得しつつ、メンバに謝ろうと振り返ったところ、
唖然・・・
みんな大はしゃぎでヤブコギを楽しんでいるじゃないですか。カエルの子はカエル。変態の子は変態なのね・・先行していた「緑のおじさん」(蛍光グリーンのジャケットを着たおじさんに対して子供達が付けたニックネーム)にも怪訝そうな顔をされました。
程なく白鳳峠着(13:30)。このままコースタイム通り行くと16:00のバスがギリギリに。白鳳峠からはかなり急な下り坂。前半はゴーロ状の沢筋。沢筋は子供達も快調に飛ばしてくれてコースタイムの約半分位のペース(約30分)で下りてきました。後半は沢筋から、尾根に乗り上げて余り整備されていない悪路を下りました。道も不明瞭で、地形図を眺めながらの下降です。
先頭は子供達に任せていましたが、気がついたら沢筋に・・・地図では沢に戻ることは無いはず・・・踏み跡も不明瞭になってきたので、自分の位置が確実にわかる箇所まで退却。
どうやらクライマーの子供達は(親も)途中の大岩に見とれてしまって、「ここは5.9のラインが引けるね」などとふざけあっていたら、注意散漫で間違った踏み跡を辿っちゃったようです。
その時、
沢筋の下の方から「おーい」という声が何度も聞こえて、大騒ぎ。
そう、あの「緑のおじさん」の声に違いない。我々が迷ったパターンでそのまま沢筋に入り込んじゃったんだろう。
何かしてあげたいが、あいにく子連れ中、なんどか「おーい」と返答したのみで、あとは下山後に対処すべく、下山を急ぎます。
その後も、道は荒れていて大変な下りでしたが、なんとか、予定のバスの時刻に間に合う時間(15:35)に下りてこられました。
ゲートで「緑のオジサン」遭難しているかもしれないとの情報提供をして、バス停へ。やっぱり無事に下山していればバス停にいるはずの「緑のオジサン」がいなかったので、まだ下りてきてないんだ・・・
と心配した直後、
「イヤー参ったよ~」と声高らかに「緑のオジサン」が・・・
やっぱり迷ったらしいが、元来たところを登り返さずに、途中行く手を阻まむ岩を避けながら、危険地帯をトラバースしてきたとのこと。コワ~、それって道迷い遭難の典型的なパターンでは??
でもまぁ無事で良かったです。乗り合いタクシーの車内で「緑のオジサン」の事情聴取(笑)。
帰りには、桃の木温泉 別館 山和荘によって、汗を流してきました。
子供達もすっかり兄弟のようです。
風呂を上がっても、またUno!やってます・・・
今回は同世代の友達との山行で、互いによい刺激になったようです。
再会を誓って帰路につきました。
こちらもどうぞ
最近のコメント