先日谷川で起きた遭難事故の事故調査委員会に出席しました。
事故報告書の作成に向けての、メンバの登攀経歴、装備、各ポイントでの行動判断の根拠や意識などについての意見交換が議論の中心。
この日の議論では、ルート選定、撤退時間の設定、撤退方法の3つで、(結果として)判断を間違えてしまったのかなと感じました。
自分も悩んでいて、まだまだ満足出来ないポイントの一つとして、「登攀における『安全の確保』と『スピード』という相反する項目を一つの山行のなかでいかにバランスさせるか。判断基準をどこに置くか。」があります。
安全を過度に重視する余り、登攀時間が長引けば危険。でも一方では、時間がもったいないからと言って、支点とばしまくって思いっきりランナウトするのも危険だし。安全に帰還するためには、もちろんこれらは両立させなければならないんだけど、両立させるためには3つの選択肢があるのかなと考えてます。
(1)安全マージンを増やす:確実に登れるグレードを上げ、ルートファインディング能力を高める。
(2)スピードのマージンを増やす:登攀スピードを上げ、ビレイ点での無駄な動きをなくす。
(3)両立できなくなりそうな時点で撤退する。
僕自身、まだアルパインクライミングの入り口に立ったばかりで、山行のたびに反省ばかり。
1つ課題が解決すれば、2つ新しい課題が出来てしまう状態。
いつになれば、自分が納得できるクライミングが出来るようになるのかなぁ。
まぁ、あと25年あるし、ゆっくり考えよっかね。
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